「吾唯足知」

 「われ ただ たるを しる」と読み、一言で言うと「人は欲張らず、今の
自分を大切にしなさい」という意味で「足る事を知る人は不平不満が無く、心
豊かな生活を送ることが出来る」ということのようです。

 京都・竜安寺にある蹲踞(つくばい)に刻まれている言葉として有名です。
蹲踞とは茶室の庭先にある石の手水鉢(ちょうずばち)のことで、この手水鉢が
低く据えてあって、茶客が手を洗うのに、つくばうから、蹲踞と言うようにな
ったものだそうです。

 竜安寺の蹲踞は「吾唯足知」の4つの漢字に含まれる□の部分を中央に集め
て共有化し水を張るデザインになっています。 上から見ると漢字の配列はこ
んな具合です。

   吾     五
  知 唯 → 矢口隹
   足     ?
         ↑足から口を取った字

 観光客が見ているのはレプリカだという話しもありますが、何れにしても、
石庭を眺めながら、「吾唯足知」の意味を自己流に解釈しながら思いを廻らす
時を持つのも良いものです。

 最近、非常識な登山者が増え、山小屋などでの要求がエスカレートしている
と聞くにつけ、際限ない欲望に溺れることなく、現在の状況を善しとして生き
る大切さを考えたいと思います。

 「南方録」の巻頭覚書をもじって、「山小屋は漏らぬほど、食事は飢えぬほど
にて足る事也。是山の教え、登山の本意也。」という意識を持ち、清貧登山で
行きたいと思い、「吾唯足知」の「山版」、「木版」を考えてみましたが、煩
悩の塊である私には上部(冠(かんむり))、左部(編(へん))、下部(脚
(あし))、右部(傍(つくり))に山、木の付く漢字だけは思いつきました
が、教訓にまとめることは出来ませんでした。

   岳    岳      朶(栞)
  杣 峠  仙 嶇(岐)  林 杜
   嵩    岩(崗)    森(李)

−以上− 若原

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